会長挨拶Greeting
夢の先を見据えて
令和4年9月16日(金)・17日(土)に、千葉県浦安市のJ:COM浦安音楽ホールで第18回日本血管腫血管奇形学会(第13回血管腫・血管奇形講習会併催)を開催させて頂くことになりました。学術集会・講習会の会長を拝命しました順天堂大学医学部附属浦安病院形成外科・再建外科の林礼人と申します。アフターコロナを期待し準備を進めて参りましたが、第7波も非常に大きな拡大をみせ、さらに身近に近づくコロナとの日常に御苦労もひとしおかと思われます。会員の皆様並びに関係される全ての方々にお見舞い申し上げます。
そうした状況下の中、血管腫・血管奇形診療の領域では、多くの方々の想いを乗せた「夢」とも言える様々なプロジェクトが着実に進行し、今正に佳境を迎えています。長い年月を経て実現した保険収載に向けた硬化療法の医師主導治験、疾患発症の細胞経路に作用する新たな薬物療法の開発、そして次々に解明される原因遺伝子の数々など、悲願の達成と大いなる飛躍が目前に迫ってきています。浦安市は「夢の国」とも称される東京ディズニーリゾートの所在地としても知られ、順天堂大学医学部附属浦安病院はofficial hospitalとしての側面も有しますが、「夢」の実現に向けた様々な取り組みをこの地で語らう機会が得られたことは、非常に意義深いことと感じています。
そこで、テーマを「夢の先を見据えて」とさせて頂き、実現間近に迫った「夢」を意味あるものにしていくために、その先どうしていくべきかを様々な形で検討出来ればと思います。また、本学会では、いくつかの新たな試みも考案し、準備を行ってきました。その目玉になるのが国際シンポジウムで、コロナ禍で培ったリモート技術を上手く用いることにより、中国(上海)のXiaoxi Lin先生、アメリカ(ボストン)のArin Greene先生、韓国(テグ)のHo Yun Chung先生と世界のトップランナー3名による、日本未承認の薬物療法も含めたこれからの集学的治療のあり方についてのLiveでの講演・総合討論を予定しています。その他、新たに保険収載となった「リンパ管奇形に対する薬物療法」に加え、「IVR治療の将来展望―チーム医療を見据えてー」「外科的治療のこれからを見据えて」「血管腫・血管奇形診療の未来を見据えて」といったシンポジウムやパネルディスカッションを企画しました。将来を見据えてのパネルでは、患者会の方にも御参加頂き、オンラインでの配信も行うことで幅広い情報提供を行えたらと考えています。
また、今回は53演題と多くの演題を御応募頂き、一般演題やポスター演題へのアワード制定に加え、優秀演題セッションによる審査の上、最優秀演題への表彰を行うことにしました。様々な企画セッションのため、16演題をポスターセッションとさせて頂きましたが、現地発表に加えオンラインでの視聴も可能な形にさせて頂きました。
さらに、本疾患に関する基礎知識やアップデートの理解を深めるための講習会も例年通り初日に併催し、医師のみならずメディカルスタッフなど多職種の方々にも御参加頂けたらと思います。
コロナ第7波の影響で、実現を模索した総合懇親会は断念せざるを得ない状況になりましたが、サプライズゲストを迎えたミニコンサートをスペシャルイベントとして企画しましたので、想い出の一ページに花を添えて頂けたらと思います。
学会後は、会場から10分程で到着可能な「夢の国」で、ご家族やご友人と楽しいひとときをお過ごし頂ければとも思われます。
学会はオンデマンド配信も含めたハイブリッド形式での開催になりますが、多くの先生方の御参加を心よりお待ち申し上げております。
最後に、学術集会・講習会開催にあたり多方面からの御協力を頂きましたことに、心より感謝申し上げます。
夢の先にあるもの、一筋の光をその手に。
順天堂大学医学部附属浦安病院形成外科・再建外科